カフェ・ドウ・フランスはフナ広場を見下ろす喫茶店として有名だ。左手にクトウビアの塔を望み、正面には広場全景がパノラマの如く広がる。観光客は元より、取材撮影者が喜ぶスポットとして重宝している。5DH前後のお金を入り口で支払うと、ソフトドリンク付き、時間無制限で居座れるので、広場の喧騒を逃れるのに最高の場所となる。
最も素晴らしい居座りタイムは日が傾き涼しい風が吹き出す、午後4時30分頃からか?屋台の煙が噴出し、逆光で広場が白く幻想のように浮かび上がる。風の向きによって、蛇使いが奏でる笛の音が、水売りの金の音が突然上空に舞い上がる。更に日が傾き、午後5時半頃になると、赤壁に覆われたマラケシュの旧市街はピンク色に見事に染まる。
気が付くと、これでもかと思う程に膨れ上がった民衆が近隣の村落、新市街辺りから広場を目指して、まるでふやけた徒党の集団のように、動いている。娯楽の少ないマラケシュでは、広場自体が露天の人間遊園地。大道芸人の技を見物し、猿回しに大笑いする。腹が減ったら屋台で飯を食らえば良い。そして日が暮れたら来た道を引き返す。ここには身体に優しい人間本来の営みが脈々と続いている。
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