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Produced by MARI FUJITA
「アシュラ」とは人名ではない。アラビア語で10日目を意味するこの言葉は、モロッコでは、太陰暦1月10日のお祭を指す。先月の犠牲祭を羊祭りとすれば、このアシュラは、タムタム祭だろう。ジャマ・エル・フナ広場では、色とりどりのタムタム屋のテントがずらりと並び始めた。広場の大道芸人たちは、この陶器の筒に革を張った小さな太鼓・タムタムの名人だが、アシュラの日の主役は、子供たちである。この日ばかりは夜遅くまでタムタムを鳴らしながら街じゅうを歩く事ができるのだ。その日に向けて、タムタム、タムタム・・・あちらこちらの路地に子供たちが集まって練習しているが、これが、巧い!シンプルだが湧き出るようなリズム感は、改めてここはアフリカ大陸なんだ!という思いを強くしてくれる。南に行けば行くほど、子供達のタムタム・レベルは高くなるような気がするから尚更だ。 一方、祭と来て子供と来れば、もうお菓子しかないが、アシュラのお菓子は、タムタムと同じくシンプルだ。お母さんやお姉さん達は、家でこの小さなビスケットを焼く。小麦粉と卵、ゴマやアニスなどのスパイスを練り、パスタマシーンのようなもので、にょろにょろと細長い生地にしてから、ハサミでちょきちょき1センチ位に切る。近所のかまど屋さんで焼いてもらって、くるみやアーモンドなどと一緒にする。アシュラがやって来るまで、子供達には、しばしのお預けだ。このお菓子、カサブランカなどでは「クイカッツ」と呼ばれていて、文字通り「小さなお菓子」という意味だが、マラケシュでは「コルシュレッツ」と言う。なぜなの?と聞くと、お母さんは子供達には内緒で、とにかく食べてごらんなさい、とお菓子を分けてくれた。ビスケットの軽い歯ごたえと、くるみの感触。「コルシュ、コルシュ(サクサクという音のこと)」。なるほど。とてもコルシュレッツな音が口中に広がった。text&photo 藤田麻里 おこづかいでタムタムを買いに来る子供達。ジャマ・エル・フナ広場にて。
「アシュラ」とは人名ではない。アラビア語で10日目を意味するこの言葉は、モロッコでは、太陰暦1月10日のお祭を指す。先月の犠牲祭を羊祭りとすれば、このアシュラは、タムタム祭だろう。ジャマ・エル・フナ広場では、色とりどりのタムタム屋のテントがずらりと並び始めた。広場の大道芸人たちは、この陶器の筒に革を張った小さな太鼓・タムタムの名人だが、アシュラの日の主役は、子供たちである。この日ばかりは夜遅くまでタムタムを鳴らしながら街じゅうを歩く事ができるのだ。その日に向けて、タムタム、タムタム・・・あちらこちらの路地に子供たちが集まって練習しているが、これが、巧い!シンプルだが湧き出るようなリズム感は、改めてここはアフリカ大陸なんだ!という思いを強くしてくれる。南に行けば行くほど、子供達のタムタム・レベルは高くなるような気がするから尚更だ。 一方、祭と来て子供と来れば、もうお菓子しかないが、アシュラのお菓子は、タムタムと同じくシンプルだ。お母さんやお姉さん達は、家でこの小さなビスケットを焼く。小麦粉と卵、ゴマやアニスなどのスパイスを練り、パスタマシーンのようなもので、にょろにょろと細長い生地にしてから、ハサミでちょきちょき1センチ位に切る。近所のかまど屋さんで焼いてもらって、くるみやアーモンドなどと一緒にする。アシュラがやって来るまで、子供達には、しばしのお預けだ。このお菓子、カサブランカなどでは「クイカッツ」と呼ばれていて、文字通り「小さなお菓子」という意味だが、マラケシュでは「コルシュレッツ」と言う。なぜなの?と聞くと、お母さんは子供達には内緒で、とにかく食べてごらんなさい、とお菓子を分けてくれた。ビスケットの軽い歯ごたえと、くるみの感触。「コルシュ、コルシュ(サクサクという音のこと)」。なるほど。とてもコルシュレッツな音が口中に広がった。text&photo 藤田麻里
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