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取材撮影コーディネート

カサブランカ空港内、出国ロビー左50M
日本人デザイナーが企画製作したオリジナル商品/高品質伝統品/アンチック/トアレグ銀細工/革バック/ベルベルキリム、絨毯各種/バッブーシュ/寄木細工/民族衣装他豊富
アマンジェナでタイ料理はいかが?

先日、テレビの撮影のお手伝いの仕事をしました。マラケシュとフェズの2つの世界遺産を撮影するものでしたが、マラケシュに1週間滞在中にひょんな事からアフリカ大陸初登場のアマンリゾート「アマンジェナ」でタイ料理を頂く事になりました。きっかけはディレクターの「ああ、もうモロッコ料理は飽きたな。タイ料理が食べたい・・・。」だったと思います。なんでもロケ中のディレクターの楽しみは美味しいものを食べる事、ですがこの日まで連日夜遅くまでの撮影が続いていました。「タイ」と聞いて私はこんなアフリカの果てにまともなタイ料理があるかー!と思い、「まともな中華料理屋もないマラケシュに、まともなタイ料理は、非常に難しいと思います。いんちきベトナム料理だったらお任せください。」と言いかけたのですが、そういえば最近カサブランカの知り合いがアマンジェナのタイ料理が美味しいという話をしていたな、と思い出しました。さあ、そこで夜の21時に弊社の運転手も含めた全スタッフ10人分を予約。翌日に一部スタッフが帰国する日だったのでお別れもかねての会にしよう、と張り切っていました。しかし、その日に限り撮影は遅れ、21時になってもまだジャマ・エル・フナ広場でカメラと東洋人にくぎ付けになり、ロケにあまり協力してくれないモロッコ人と格闘しながら撮影を続けていたのです。もうくたくた、今日はタイ料理キャンセルかも、と思ったら、ディレクターいつものポーカーフェイスで「じゃ、ホテルですっきりしてからタイ料理に行きましょうか。」と一言。この時すでに21h00を大幅に過ぎていました。もう遅いし、お腹も減っているという事で道中、車の中で電話にて前菜とワインのオーダー。ワインは、モロッコワインの中で飛びぬけて美味しい「Coteaux de l'Atlas」とその他適当にチョイス。アマンジェナのホテルの係りの人は電話で注文という面倒な作業にも関わらず丁寧に最後まで案内してくれました。こんな夜遅く郊外までお連れしてすみませーんと思ってバック・シートの撮影スタッフを見ると、皆さんうたた寝状態。当然です。しかし、アマンジェナに着いたら、ちゃんと起きてついて来てもらわないと困ります。なにしろ、このホテルはとても広く、照明は大きなバッサン(池)を囲むランプのみ、とまるで千夜一夜物語の世界。他のホテルとはスケールも雰囲気も違うのです。

フェズ近郊の丘陵地での撮影

やはり実際に到着すると、皆さん、きょろきょろと写真を撮る撮る(もうお仕事終わったのに・・・)。レストランは意外にタイチックではなく、モロッコ風というかマラケシュ風の赤を基調にしたインテリアでした。やはりお客さんはほとんど西洋人カップル。私達ジャパン、モロッコ混合チームはとても異色な存在でした。蝋燭の火がテーブルに灯され、ディレクターがいつものポーカーフェイスでお気に入りのタイ料理を注文し、ワインも順序よく運ばれてきます。これまでモロッコワインが口に合わなかったフランス人スタッフもこの「Coteaux de l'Atlas」には「c'est bon」の一言。さすがです。可愛そうに、モロッコ人運転手は例のごとく「クーカ」(コカ・コーラ)を飲んでいました。トム・ヤンクンを筆頭に続々と運ばれてくる上品な盛り付けのタイ料理に一気に食欲が湧きます。どんどんお箸が進むスタッフと「いやー、モロッコでこんな美味しいタイ料理がたべるとはなー」とディレクターも満足げです。お酒も回り、皆さんよい気分になったところで、モロッコ音楽の生演奏がスタート。それに合わせて踊るスタッフ。明日はフランスからのスタッフが帰国してしまいます。これまでの苦労をねぎらった後、すがすがしい気分でお開きとなりました--。はい、お勘定。ディレクターの出番です。皆さん、この時点では心地よい満腹感とほろ紅い顔で幸せいっっぱい。すると、ディレクターの顔色が変わりました。「え、え、これは桁が違うのでは」とか「これは$表記なのか」とお勘定をみて腑に落ちない様子。その金額日本円で約13万円。しかし、ディレクターはさすがにディレクターです。ひるまずに、DHの札束をどこにそんなにしまっていたのだーというぐらい、どっさり出して札の枚数を数え始めました。皆さんそれには我関せずの顔で、あーあとは寝るだけだという表情。お勘定も終わり、美味しいタイ料理と千夜一夜物語の雰囲気を脳裏に焼き付け、アマンジェナスタッフの清清しい笑顔に見送られてその日は無事に終わったのです。しかし、その後度々「いやーしかしあんなに高いタイ料理は東京でも滅多に無いよ」と言われて肩身の狭い思いをした私でした(なんといっても私がその高いレストランに案内したのですから)。でも皆さんのあのたぺっぷりは正直に料理の美味しさをに物語っていましたよ、監督。

text&photo by 草野 マキ



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