”麻薬犬が反応しましたのでその黒いバックを開けて下さい”。税関職員の声に一瞬うろたえる。長い長いカサブランカ〜パリ〜大阪までの子連5人旅で殆ど寝れず疲れ切った矢先の思いもよらぬ日本語の内容に子供達もポカーン。さっと他の職員も行く手を塞ぐ。悪い夢でも見ているのか、映画のロケに巻き込まれたのか、まだピンとこない。滞在先は?モロッコです。荷物の中身は?旅行用のパンフレットです。どうぞ見てください・・・・。大した物は入っていないので鍵は壊れたまま、閉めてはいません。係員が調べている間少々我に帰った私は、突然言い知れぬ恐怖感に襲われた。かつてある邦人グループがオーストラリアの空港で見に覚えの無い犯罪にまき込まれ、結果的に麻薬の運び屋にされ、何十年に及ぶ判決を言い渡され拘留されたという話で、もし私のバックの中から身に覚えの無い麻薬がでてきたらどう潔白を証明できるのか・・・・。鍵を掛けなかったお前が悪いと仰る向きもあるかもしれませんが、鍵をしてもしなくても、スーツケース如きの鍵は簡単に開けられるのですよ。かってモスクワの空港では乗り換え便に積み替えるスーツケースは鍵を開けられ中身の貴重品だけ抜き取られる事件が頻発しました。鍵を元通り閉めてあるので、気付くのに時間が掛かり後の祭。私の家内もその被害に実際遭遇したのです。さてさて幸いにも不審なものはでてきませんでした。そこでいったいどうして麻薬犬が反応したのか聞いてみるとこうです。仮に麻薬物を吸ったか、触った者が私の荷物に触ったりした場合はその匂いがカバン等に付着し犬が反応するそうで、実際モロッコでは可能性がないわけではないが、モロッコに限らずヨーロッパでもここ日本でも麻薬を嗜むふとどき者はいる訳でいつ身に覚えのない犯罪に巻き込まれるか判らない昨今の状況に眠気も吹っ飛んだ、恐怖の帰国でした。皆さんくれぐれも気を付けて下さい。 9月12日 村川敏弘
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