Tanger:Different from CASA?
カサブランカから列車で5時間ちょっと走るとタンジェの町が見えてきた。この地中海に面した北の町は、1920年代の国際管理下時代に(International Zone)マフィアやあらゆる職業の者であふれ、危険な町というイメージがあるかもしれない。または、40年代にテネシー・ウイリアムズ、ポール・ボールズ、ジャン・ジャネ、トルーマン・カポーテイらの芸術家が住み着いた町として記憶に刻まれているかもしれない。どちらにしても、タンジェはマラケシュやフェスとは異なる意味で、モロッコの中で異色を放っている。タンジェがなぜあれほどの芸術家を惹きつけたのか。
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タンジェの町並み |
富豪の別荘が並ぶ |
カフェ・ファはに集う若者 |
33年間の国際管理下時代も去りモロッコの1都市となり情勢は大いに変わった。今ではそのタンジェが繁栄した時代を思い起こすものは町に残る古い建物ぐらいしかないかもしれない。世界からの著名人を顧客に抱えるホテル・ミンザ、マティスが滞在したホテル・ヴィラ・ド・フランス、映画シェルタリング・スカイで使われたホテル・コンチネンタル、ポール・ボールズも一息ついたカフェ・ハファ、ハリウッド俳優の捨てられた別荘など…。
ほとんどが老朽化を免れず、ひっそりとタンジェの今を眺めている。例外はタンジェの誇るホテル「ミンザ」とカフェ・ハファだろうか。この2つは今でもタンジェの顔、タンジェ市民の憩いの場として必要とされ機能している。マティスのホテルは草木に覆われ、一切手入れされていない様子だった。なんでも10数年閉鎖しているようで、「本来の姿そのままに修復すれば、本当に素晴らしいホテルになる。」とあのミンザホテル副社長の話だが、そういった動きは残念ながら現時点ではないようだ。ホテル・コンチネンタルはささやかながら修復作業を進めていた。現在利用されている部屋は半分ぐらいだろうか。それ以外は、放置されている。内装はモロッコタイルで飾られた壁、漆喰の彫刻がまるで博物館のようだ。廊下にまさしく放置されているタンス、椅子も歴史を感じさせるもので、昔のものだからか知らないが、椅子は丈夫で座り心地が良い。修復された部屋はモダンにアレンジされ、素敵だ。タンジェ港を見渡せるこのホテルは、近代設備を揃えた快適なホテルにはない、情緒がある。まさにホテルそのものに価値がある。ここで、これらのホテルを「伝説の3ホテル」in タンジールと名づけよう(勝手に)。
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ミンザホテルのピアノバー |
シェルタリング・スカイのコンチ |
コンチネンタルの回廊 |
週末にかけてジャズ祭、TANJAZZが開催中だった。国内外のアーティストがグラン・ソッコに隣接するMendoubia庭園で演奏する。タンジェの、カサブランカとはちょっと違う夜空の下でジャズを聞く。ジャズ祭はタンジェが一番似合う。他の都市では考えられないが、ヨーロッパ大陸に面しているこの地には、すんなりとジャズが受け入れられた気がした。
text&photo by 草野 マキ
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ヴィラ・ド・フランスはこのとおり。中は見えない。 |
ジャズ祭盛り上がった |
ヒスパーノ・ムーレスク風の椅子 |