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取材撮影コーディネート

カサブランカ空港内、出国ロビー左50M
日本人デザイナーが企画製作したオリジナル商品/高品質伝統品/アンチック/トアレグ銀細工/革バック/ベルベルキリム、絨毯各種/バッブーシュ/寄木細工/民族衣装他豊富
フェズの遺産 

Heritage of FES

カサブランカに住んでいるせいか、古都フェズに行くと毎回タイムスリップしたような気がする。世界遺産のメディナに足を踏み入れずとも列車を降り立っただけで空気の違いを感じる。今回フェズ旧市街に一週間ほど毎日足を運び、ただ通り過ぎるだけでは見えない遺産を見た。その1つがDAR AHMED(ダール・アハメッド)。スークの喧騒が嘘のように静かなメディナ奥の住居地に、外から見るといたって簡素な家がある。入り口が近所のものより大きいので、そこが裕福な家だとかろうじて分かる。以前の馬小屋を通り抜ける。そこには今で言うダスト・シュートがあり、昔は外の貧しい人に食べ物、小麦をそこから配給するようになっていた。暗闇を抜けるとまぶしい光に一瞬目を細める。今はあまり手入れされていないが、母と子がここで遊んでいたのではと昔をしのばせる中庭があった。その時は紫色のジャカランダ、色とりどりの花が手入れされることなく、それこそ水遣りのホースが放置されたまま、さびしい雰囲気だった。庭を囲む一番奥は豪華なサロンになっている。しかしここも窓ガラスが割れたまま、豪華なシャンデリアもその重みで天井から落ちるのでは、という様子だ。それにしても改装されレストランになった邸宅にはない上品な色合い、モザイクの細かさに時間を忘れて見入ってしまう。現在この部屋は利用されることなく横たわっている。サロン横の部屋に扉がある。薄暗い通路を抜けると、ドーム屋根の空間が現れた。屋根には花模様が彫ってあり、穴があいている。ハマムだ。以前はメディナの裕福な家にはハマムがあった。今ではなかなか出来ない贅沢だが、ここはパシャ・アハメドの家だ。(パシャとはオスマン・トルコ時代に使ったhigh officialの称号}

パシャ・アハメド邸

鮮やかなジャカランダ5月は花盛り

味のあるハマム

4人の妻をめとった彼の死後、子孫の一部がいまだここに住んでいる。遺産相続の問題で、売りにも出せず身動きできない状態で18世紀の家に取り残されている。フェズのメディナにはこんな風に置き去りにされた家がたくさんある。そういえばカサブランカに住み、イフランで勉強する友人がフェズのメディナの家で母親と落ち合うから一緒にこないか、と誘ってくれた事を思い出す。それは外から見るだけでは普通の家だった。一歩なかに入ると、メイドさんがいる台所、その奥には太陽の光がさんさんと降り注ぐ大きなパティオがあり、囲むようにサロンがあった。彼女は、そこの2階で親に禁止されているタバコを吸っていたな、と記憶が蘇る。(娘がタバコを吸うのを禁止するのはモロッコでも一般的)その家は家族全員がカサブランカに移ってしまい、メイドさんが守っていると言っていた。先祖代代のものだから、と売りにも出せずそのままにされた家は人口過密が進むメディナの中でひっそりと時を止めている。

text&photo by 草野 マキ



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