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取材撮影コーディネート

カサブランカ空港内、出国ロビー左50M
日本人デザイナーが企画製作したオリジナル商品/高品質伝統品/アンチック/トアレグ銀細工/革バック/ベルベルキリム、絨毯各種/バッブーシュ/寄木細工/民族衣装他豊富
父から貰った感動

村川敏弘(モロッコ在住写真家)

 戦時中私の父が唯一訪れた国と言えば、強制的に送られた満州、即ち今の中国です。当時の不幸な旅の中から経験した僅かな楽しかなかった思い出、若かりし頃の異国での感動、好奇心がもたらした数々のエピソードを、まだ幼かった私に繰り返し繰り返し、まるで童謡を耳元で口ずさむかのように話してくれていました。
 中学生になった私は、世界中の紀行文や写真集を読みあさり、空想の中で旅をしました。更に時が流れ、社会人になった私は、一九八一年春、スペイン南端の町、アルヘシラスの港に立ちジブラルタル海峡の向うに微かに望むアフリカ大陸を眺めていました。私の想像を越えた未知なる大陸の姿を、この目の高さでしっかりと見据えてから出発したいと思ったのです。幾多の民族、宗教、思想がこの海峡を越えヨーロッパとアフリカの国々を相互に伝播していった・・・。僅か二時間あまりの船旅は過去数千年の歴史を遡る旅でした。
 やがて波間に純白の家々の姿が見えてきます。岸壁から一気に競り上がるように建つタンジールの旧市街の美しい姿、天に真っ直ぐに突き進むかのように聳え立つモスクのミナレットの数々。旧市街の迷路は人々の体臭と熱気が渦巻き怒涛の如く路地を駆け巡ります。”一度アフリカにやってきた者はまたアフリカに戻ってくる”と言う例えがありますが私もその例外ではありませんでした。世界へ目を向けさせてくれた父は七十歳を過ぎて二度モロッコにやってきました。雄大なサハラ砂漠に感動し、世界一の迷路が続くフェズの旧市街に驚嘆したあの日の父の姿は今はもう写真を通してしか見れませんが、かつて父が語った異国の思い出話は”世界に目を向け大きくはばたきなさい”と言う父からのメッセージだったのです。



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