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取材撮影コーディネート

カサブランカ空港内、出国ロビー左50M
日本人デザイナーが企画製作したオリジナル商品/高品質伝統品/アンチック/トアレグ銀細工/革バック/ベルベルキリム、絨毯各種/バッブーシュ/寄木細工/民族衣装他豊富
モロッコ空陸立体散歩

ジブラルタル海峡を越えて

パリ〜カサブランカ間の飛行時間は約3時間余り、葡萄酒で有名なボルドー上空を通過したと思ったらスペインの首都、マドリード上空にあっという間に到達する。イベリア半島を南下するに従って、茶褐色の大地とオリーブの樹木が点在してくる。アフリカ大陸が近いことを予見させる風景が眼下に広がる。右手に一瞬大西洋の光溢れる大海原が窓一杯に広がる、ポルトガルの海岸線だ。一直線の美しい海が眼下に続く。

上写真:ジブラルタル海峡、左側スペイン、右側アフリカ大陸モロッコ

息つく間も無く左手の窓からジブラルタル海峡が見えて来る。その前方に岩の山ジブラルタル島が見える。かって、アラビア半島より、北アフリカの沿岸沿いに怒涛の如く攻め入ってきたアラブ人達は、やがてイベリア半島へと矛先を変え、この小島を足場にしてキリスト教世界へと侵入していくことになった。

上写真:正面にジブラルタル島を望む

現在のジブラルタル島は英国領として栄え海峡に突き出た出島のような立地で観光面でも賑わっているが、土地が狭いので、飛行機の着陸時は、スリリングな景観が味わえる。

イベリア半島とアフリカ大陸との距離は最も狭い所で僅か17KMと近い。しかしそこにはまったく異なった文化が横たわる。

上写真:スペイン側から眺める英領ジブラルタル島

僅か5分余りだったか?ジェット機は海峡を一っ飛び。歴史もその文化も置き去りにしてイスラム空間の世界にうむも言わさず突入する。右手に海岸線、左手にモロッコ北部の美しいリーフ山系の山並みを映し出す。世界遺産の古都、テトワンやレコンキスタの潮流の中で、イベリア半島を追われたイスラム教徒たちが落人として住み着いた聖地、シュフ・ショウエンの旧市街に、今もスペイン・アンダルシア地方の匂いが流れる。

上写真:スペイン・アンダルシアを彷彿させるショウエンの旧市街

港町タンジールからカサブランカへ

ジブラルタル海峡に面した港町タンジールから美しく広い海岸線が延々と続く。かってスペインが占領した海辺の町,ララーシュ、ポルトガルが支配したアジラーの朽ち掛けた美しい旧市街は今も人の心に潜むノスタルジーを駆り立てる。やがて飛行機は高度を下げ始め、その機体を大きく左に旋回。アフリカ第2の大都市カサブランカの上空をかすめる。

上写真:マチスも愛した国境の港町タンジールの旧市街全景

機上から見るカサブランカ郊外の風景は意外にも緑で溢れている。大西洋から運ばれて来る湿った空気と、冬場の適度な悪天候のお陰で豊穣なる大地が培養される。

右写真:ハッサン2世モスクのミナレットが見えるカサブランカ市街

カサブランカ国際空港はアフリカの玄関、ヨーロッパからの飛行機が経由する重要なハブ空港として賑わっている。市内から約30KMの郊外に位置する空港の周りは見渡す限りの小麦畑が広がる。

春には蓮華、タンポポ、菜の花が咲き乱れ、丘陵地はお花の絨毯と化し我々が持つアフリカのイメージとは程遠い緑の国モロッコの原風景が、今も名残を留めている。

右写真:カサブランカ国際空港

首都ラバトより内陸ヘの旅

取材で大西洋に面した古都ラバトからアトラス山脈を越え遥かサハラ砂漠までヘリコプターを使いこの国を縦断する機会に恵まれた。1泊2日の大空の旅はモロッコと言う国を地理的に理解する上でとても有意義なものであった。

上写真:緑豊かな大西洋岸沿いの風景

ラバト近郊の空軍基地を飛び立ったヘリは一度海上に出て、緑に輝く大地と大海原を舐めながら改めてラバト市街上空に入ってくる。まず目にする歴史的建造物、ハッサン塔とそのモスク跡は、12世紀、時の王、ヤーコブ・エル・マンソールによって建立に着手されたが王の突然の死後,完成を見ることは無かった。


上写真:ハッサン塔とモハメッド五世廟を望む

川に沿って飛ぶと正面にウダイヤのカスバの城塞と後方に首都ラバトの旧市街、新市街が見えて来る。13世紀にアラビア半島からやって来たと言われるウダイヤ族が後に、アラウイ朝のサルタン、ムーレイ・イスマイルの命によりこのカスバに定住し、現ラバトの旧市街の防衛を任された。強固な城塞で囲まれたこのカスバの勇姿が海の際に見える。モロッコでは稀な清楚、静粛な古都ラバトは行政府としての機能を持つ、愛らしい町。若い頃、1年間この町に住んだ私にとっては、まるで昼間でも刺激のない眠る町のような印象が強い。

上写真:美しいウダイヤのカスバと首都ラバト全景

豊穣なる大地からイスラムの都へ

首都ラバトを飛び立った空軍のヘリはモロッコで最も豊穣な大地を地上300M程の低空にて飛行。アトラス山系の北側に当たるケミセット、メクネス、フェズの諸都市一帯は春5月ともなれば色とりどりの花々が咲き乱れ、植物の絨毯が丘一帯を覆う。

上写真:春の農村集落

冬場地中海から運ばれてきた湿った空気と降雨により、大地は肥え、緑豊かな土壌となる。アフリカとは言え、ローマが都市を建設し、イスラム王朝が興った魅惑の地。

左写真:ケミセット近郊のお花畑

山岳地帯から移動してきた遊牧民達は緑の食物と溢れる太陽を求め、ケミセット近郊の大平原に集結。羊達が黙々と草木をほおばる姿にやがて来る夏を、そして犠牲祭に思いを巡らせる。

右写真:羊の放牧風景

太った羊は家畜ではなく美味しいパイに見えるらしい。1頭1万から2万円が相場とか・・。

左写真:移動遊牧民

かっての王朝都市メクネスは、オリーブの栽培が盛んで夏場、美しい緑色の実を付ける。もう一つ忘れてはいけないものに、メクネスワインがある。背の低いブドウの木が町を囲むように大地を覆う。今では伝説になったメクネスワイン最高級銘柄”ホートアトラス”は、その全てが高級ワインとしてパリ辺りでしかお目に掛かれないらしい。

上写真:メクネス近郊のオリーブ林

古くからこのワインを扱うレストランに頼んでついに手に入れた私は震える手でグラスを握り、飲んでみたが、なかなか上品な味に溜息・・・。

左写真:最高級ワイン、ホートアトラス

やがてヘリは、いにしえの都フェズ上空に差しかかる。旧市街に隣接して王宮があり、その上空は飛行禁止空域となっているので北からザラー山方面より接近。世界一の迷路が続く旧市街メディナ上空100M辺りの超低空を何度も旋廻。

右写真:フェズ旧市街全景

美しいモスクの中庭や、神学校、聖者廟等が見える。上空から見るフェズのメディナはまさに、時を越え生き続ける中世の迷宮そのものです。

左写真:カロウイーンモスク上空より

Text & Photo by T.MURAKAWA

■モエン(中)アトラスを越えて
古都フェズから南下すると緑の大地が続く。中アトラス山系に挟まれたこの一帯は冬場降雨、降雪の続く水に恵まれた土地なので
アトラス杉の大森林が群生し貴重な猿や豹なども僅かながら生息しているらしい。モロッコ一の豪雪地帯、イフラン、ミシルフィン、アズルーの町ではスキー等も体験できる。ここが本当にモロッコ?なんて考えてしまいます。右写真:雪のモエンアトラス

■アトラス杉の群生
中、高アトラス山系の標高1200M〜2800M辺り一帯に群生するアトラス杉の森林地帯は8万ヘクタールに及び豊かな動植物も生息する。アズルー、ミデルト方面の山岳部は降雪も多く自然も豊かだ。 
写真左:ミシュルフィンの上空より

■ 湧き水と雪解け水が湖を形成
イフラン南部の高原地帯を飛んでいるとアトラス杉の森林地帯の隙間に美しい湧き水で出来た湖、ダイエト・アオアが出現する。標高2000M辺り、緑豊かなこの地域はアトラス山脈の恵みが見て取れる。   右写真:湖ダイエト・アオア

■ 中アトラス山系を抜け前方に連なる高アトラスの山々の手前に見える鉱石の発掘現場、美しい砂丘のような形状に息を呑む。リン鉱石、銀山等豊富な大地が山の国モロッコを彩る。



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